もうこれ以上はとても我慢できないというところを、じっとこらえて我慢するのが本当の我慢というものであるという教え。
(創拓社『文芸作品例解 故事ことわざ活用辞典』より引用)
会社で働いている以上、我慢しなくてはいけない場面は数限りなくありますよね。嫌な上司、嫌いな先輩、合わないお客様…それに会社の給料や待遇、仕事の内容…色々あります。
このことわざは「我慢が足りないのはいけないよ」という意味なのですが、しかし、すべてを「とにかく我慢すればいい」とも言えません。
「どんなにつらくても、我慢していればいつか事態は好転する」なんて、そんな保証はどこにもありませんからね。
でも、「おいおい、それくらいで弱音を吐いてくれるなよ」ってひ弱な輩も結構いるけどな。仕事には向き不向きというものがあるにせよ、やりたくない仕事や、難しいと思う仕事に「できない」「やれない」と弱音を吐く前に、とにかく挑戦してみるって心構えも必要だと思うぞ。
確かに、仕事を頼むと「こういう理由でできません」とか「~だから、できません」とか、まず言い訳から入るタイプっているわよね。
できないことに対して理由を述べるのは必要だけど、あんまりそんなことばっかりだと、「できないって言う前に、どうすればできるのか少しは自分で考えてよ!」って言いたくなるわよねぇ。
そうですね、やりたくない仕事でも我慢していい結果を出せるよう努力する、やりたい仕事ができない部署に配属されても、いつかやりたい仕事をさせてもらえるよう今の現場で努力する、そういう我慢なら少しはした方がいいと思います。
我慢を続けることで、今ある壁を越え、さらに上のステージへ上がることができるかもしれませんからね。
「ならぬ堪忍 するが堪忍」、もうできないという我慢からさらに我慢をすることで、「自分が嫌だと思う仕事でも、結果を出して光ることができるかもしれない。」「結果を出せば必ず上司や経営者、誰かに注目してもらえる。」「そうすれば、自分の意見を聞いてもらえるチャンスができるかもしれない。」と、事態が好転していくかもしれませんよ。
え~! そんなにうまくいくわけないじゃないですか~! それに、逆立ちしたってできないことだってありますし、そんなものにいつまでも時間をかけていたら、それこそ会社にとって損失になるんじゃないですか?
そうですね、それも確かに真実です。
世の中には先述したとおり「壁を越えるためにするべき我慢」の他に、例えばいじめやセクハラに対してなど「しなくていい我慢」、それと、我慢してどうにかなる問題じゃない「してはいけない我慢」というものがあります。
とくにこの「してはいけない我慢」は、いつその我慢をやめるのか、最終的に我慢しても結果が伴わないだろうという判断をどれだけ速く行えるかが重要です。
自分が任された仕事なんだから、とにかく頑張って我慢してやり遂げたい気持ちはありますけど…。
他の人に頼むとか、自分がやるよりはるかに効率的な方法があるのなら、そこは早く見切りをつけないと会社の損失になってしまいますよね。それに、結果が伴わない我慢はストレスにもなりますし…。
「ならぬ堪忍 するが堪忍」や「石の上にも3年」など、我慢や継続が結果を生むことはありますが、日々変化の激しいビジネスの世界では、一度決めたことでも臨機応変に方向転換し軌道修正を図っていくことは大切なことです。
しかしその一方で、仕事のプロとして会社に雇われた以上、やりたくない仕事でも抜群の成果を上げてこそのプロ。
我慢することと、我慢しないこと、この2つのバランスが大事なのですね。
我慢しても努力してもどうにもならないことって、現実にはありますもんね…。今自分がしている我慢が、努力してもどうにもならない無駄な我慢なのか、次のステージに上がるための我慢なのか、それを自分で判断しないといけないのかぁ。
ええ。するべき我慢と、しなくていい我慢、してはいけない我慢、これを的確に判断できるかどうかが、ビジネス社会をうまく生き抜くためのカギになると思います。
難しいことですが、1つ1つのことに対してよく考え、バランスのいい判断をすることが重要なんだと思いますよ。
今回のまとめ!!
「ならぬ堪忍」を堪忍するかしないかは、自分でよ~く見極めてから!
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