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失敗!ビジネス文書劇場 第9回

お客様からの誤送信メールへの返信

お客様からの誤送信メールへの返信

今回のポイント

  • お客様が別の女性に送りたかったメールが間違って自分に送られてきた。
  • メールにはお客様の仕事にかかわることが書いてあった。
  • お客様と自分の親密度はまぁまぁ、そこそこである。
  • お客様からのメールタイトルは「この間は…」とする。
お客様からの誤送信メールへの返信
【メール例1】

件名:誤ってメールが送られてきてしまったようです。

●●会社 木佐様

いつもお世話になっております、デジセン商事の日都野です。

先日、そちらから「この間は…」というタイトルのメールが送られて参りましたが、中身を拝見しましたところ、どうも日野様という別の方に送られるはずのメールが誤って私宛に送られてきてしまったようです。

つきましては、木佐様のメールソフトの送信済みメールのところを確認して頂き、日野様宛にメールを再送して頂いた方がよろしいかと存じます。

よろしくお願い申し上げます。

デジセン商事
日都野 芳子

淡々とした事務的な調子ですね。

まぁこれはこれで、このケースありなのかもしれません。

【メール例2】

件名:Re:この間は…

●●会社木佐様

いつもお世話になっております。デジセン商事の日都野です。

メール間違って送信してますよ!
木佐さんから私が食事に誘われたかと思ってドキドキしちゃいました。

メールについては削除し、決して口外しないことをお約束いたします。

デジセン商事
日都野 芳子

開き直って冗談を言ってあげる、愛情ある気遣いを感じます。いい感じですね。

ただ、『決して口外しない』とありますが、人間というもの『誰にも言わないよ』という約束が守られた試しはありません…とは言いすぎですかね?

でも、そういうことって多いじゃないですか。『決して口外しない』という約束は、得てして『必ず口外する』という結果になりがちですよね。

【メール例3】

件名:Re:この間は…

株式会社●●御中
木佐様

いつもお世話になっております。デジセン商事の日都野です。

木佐さんからメールが来たので、注文かと思い開いてみたら、△△株式会社の日野良子様宛てのメールが届いていました。(名前が似ているので間違えて送ってしまわれたみたいです。)仕事に関する内容でもあったので、間違いメールが届いていることを連絡させていただきました。

追伸:
今回送られてきた木佐さんからの間違いメールは、
見なかったことにして破棄させていただきます。

デジセン商事
日都野 芳子

これも先程と同じで『見なかったことにする』という約束が守られるのかどうか…。そのほかはごく普通ですね。これはこれでありなのでしょう。

以上、メール文をどの調子にすれば一番丸く収めることができるのか。今回は非常にデリケートで難しいテーマでした。

この「誤送信」はメール送信で一番怖いことですよね。クリックひとつで簡単に送信できてしまうわけですから、実際この問題は割りに起きていることなのでしょう。場合によっては笑って済ませられないケースになってしまうこともあります。メールを使う以上、常に気をつけていたいものです。

このケースでの小言流メール文は、おちゃらけて洒落飛ばす調子にしてみました。お客様に「ちょっとおねだりをしてみる」という、普通ではあまりしないことを提案することで「秘密の共有」「共犯者」的な線を狙っています。

この場合、事務的なメールにすれば相手への気遣いといった温かみは見せられませんが、相手の不興を買うリスクは少ないでしょう。逆に気遣いを見せてちょっとおちゃらければ、相手から不興を買うリスクを少なからず伴います。どちらを選択するかは皆さんの判断にお任せします。

まぁその前に、こういった誤送信がないことが何よりなんですけどね。皆さんもメール送信には十分気をつけてください。

【小言流 メール例】

件名:Re:この間は…

株式会社●●
木佐様

いつも大変お世話になっております。
デジセン商事の日都野です。日野ではありません。
このメールまずいですよ。間違って送った相手が私でラッキーだと思います。

口止め料は食事…とまでは言いませんから、
今後来社されるときに美味しいケーキを持ってきてくださいね!
ではまた。

デジセン商事
日都野 芳子

>先方からの誤送信メール文掲載

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