失敗!ビジネス文書劇場 第8回
今回のポイント
取引先に宴席を設けてもらったということは、自分がお客様の立場ということになります。このケースは割り勘ではなさそうなので「接待された」ということになりますね。
あくまで日頃親しくしている関係での慰めの会という設定ですから、必要以上に神経質になることはないでしょう。
ただ、昨今の接待状況を考えますといかにも「接待で仕事を融通する」という周囲の誤解は受けたくないところですね。
件名:先日はありがとうございました!
××社
栗見様
お世話になっております。
デジセン商事の只野です。
先日は楽しい宴席を設けていただき、誠にありがとうございました!
お蔭様でストレス発散でき、心の傷もすっかり癒えて元気になれました。
栗見様には温かいお心遣いをしていただき、大変感謝しております。
参加していただいた皆様にもよろしくお伝えください!
件名:ありがとうございました
××社
栗見様
先日は宴会の席にお招き頂きありがとうございました。
栗見様をはじめ皆様と貴重なお時間をすごせたことに素直に喜びを感じております。
普段お会いする事のない栗見様の会社の方ともお話しさせて頂く事ができ、ネットワークが広がった気持ちでいっぱいです。
また普段お聞きすることのないお話なども聞くことができ、大変参考になりました。
【1】次回は自分が企画しますので、また楽しく飲みましょう!
【1】近日中にこちらでも宴会の席を設けますので、ご都合宜しかったら是非ともご参加頂きたく存じます。
今回は取引先の有志がお金を出し合って招待してくれたケースです。
上記で紹介したメールの中に『次回は自分が企画しますので、また楽しく飲みましょう!』『近日中にこちらでも宴会の席を設けますので、ご都合宜しかったら是非ともご参加頂きたく存じます。』という文章がありましたが…自分1人で取引先の有志を招待するつもりなのですか?
え? はい、そのつもりですけど…。
費用はどうするのでしょう? 「こちらが設ける」と言う限り、費用はこちら側が負担するということですよね。
しかしこのケース、およそ交際費の伝票をきれる状況ではなさそうです。そうなると、費用はすべて1人で負担するということになりますよ?
もちろん何人招待するかによりますが…大丈夫なのですか?
いやっ! それはっ! …限りなく無理に近いです…。
ははは。
じゃあここは無理をせず、次回訪問の際にお菓子を持って行くぐらいに留めて、相手の好意に甘えるのがよろしいのではないでしょうか。
えへへ…。そうしま~す。
件名:ありがとうございました
××社
栗見様
先週は自分のために宴席を設けていただいてありがとうございました。栗見さんたちのおかげで元気を取り戻すことができました。これからも末永くおつき合いのほど、よろしくお願いいたします。
【2】合コンでフラれまくった事を何で知っているのかがとても気になります…
自分がお客様の立場で取引先にお礼を述べる場合には、不遜な印象を与えることがないよう注意しましょう。
力関係で圧倒的に優位な立場にあるわけですから、ちょっと油断すると偉そうと思われる表現になってしまいがちです。
そうそう。それで評判を落とすと、どういうわけかその評判が廻りまわって自分の会社の上層部に伝わってたりするんだよな~。それも、悪意を持って伝わってしまうってケースもままあるから、そういうことがないよう用心に越したことはないぞ。
うげ、怖~い。じゃあ用心して丁寧に丁寧に書かないと…。
とは言っても、「お客」と「取引先」という関係を超越したような親しい印象も、なくしたくはないところです。『P.S. 合コンでフラれまくったことを何で知っているのかがとても気になります…』といった文章は、親しさの表現として印象に残ると思います。
では最後に小言流のお礼メールをご紹介いたします。
件名:ありがとうございました
××社
栗見様
先日は大変ご馳走になりありがとうございました。
普段仕事のときは私の無理難題をよくお聞き届けいただいて大変感謝しております。
それにしても、合コンでの私の惨敗情報入手の速さには恐れ入ります。
今度は合コンでの晴れ姿を皆様に自慢したいものです。
これからもご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
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