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若手社員お悩み相談所 第14回

思い悩む転職 2

思い悩む転職 2

さて先週は、現代は昔に比べて転職が当たり前のようになっていること、転職の選択肢が多いために悩みも多くなるのではないか、というお話をしました。

う~ん…。素直に考えれば、選択肢が多ければ多いほど自分が好きなもの、より良いものを選ぶことができるんじゃないんですか? 歓迎こそすれ、悩ましく思うことではないと思うんですけど…。

そうでしょうか。私には、現代の若い人はいつも「この会社でいいのか?」と自問自答して、現状を不安視しているような気がしてなりません。

転職が当たり前の風潮になって、ヘッドハンティングも盛んに行なわれて、「あの会社に転職したら」「あの会社にヘッドハンティングされたら」と、あれこれ考えてしまう。

「転職する会社をどうするか」という具体的な悩みより、「この会社でいいのか、転職した方がいいのではないか。しかし、転職が成功するだろうか」と、転職するかしないかという煩悶にこそ大いに悩まされているように見えるのです。

そう言われると確かに…。実際、転職することを決めたらあとは動くだけ。「転職先はどこにしよう?」という悩みは転職先が決まるまでの短いものです。

でも「転職しようかな、どうしようかな」なんて答えの出ない煩悶は、答えが出ないだけに常に持っている気がします。

選択肢が多い故の煩悶ですよね。

私は若かりし頃、転職する意志がないにもかかわらず、吸収合併で転職を経験しました。そのあとすぐ、家内のおばあちゃんが経営しているデジセン商事に次期社長として転職しました。

つまり2回転職を経験しているのですが、そのとき思ったことは、会社が変わっても「仕事をする」という上ではあまり変化はないな、ということでした。仕事内容が変わるだけで、働くことには変わりありませんでしたから。

そうなんですか? いやぁでも経営者として転職したんですから、それまでの一社員だったときとはずいぶん心境が変化したんじゃないですか?

それはそうですね。この会社に経営者として入社し、私としては「もう逃げようがない」という心境になりました。経営者の私がこければ、社員の人生が狂ってしまう。何が何でも結果を出さなければいけませんでした。

ですから「この会社でいいのか」なんて悩み、「転職しようかどうしようか」なんて選択肢は一切ありません。

私にとって選択できるのは「この会社で結果を出す」ということだけでしたから。

ふあ~。シビアな話ですね…。

ははは。

でも選択する必要がないということは、選択肢を選ぶために煩悶する時間が必要ない、ということでもありました。

今から考えれば、転職という選択肢の多さに悩み続けている現代の若いビジネスマンに比べて、仕事に集中できた分幸せだったのかな、とも思うんですよ。

小言社長が、現代の転職・ヘッドハンティング華やかりしときに若手社員だったとしたら、どうお感じになったのでしょうね?

やはり私も「この会社でいいのか」「このままでいいのか」と煩悶したでしょうね。

そして、そうやっていつまでも答えの出ないことに悩む自分が嫌になったと思います。

あ~、わかります。悩んでいたって答えが出ないとわかっていることを、それでもいつまでも考えちゃう自分が嫌になること、ありますよね。

そうですね。

私も若い頃は色んなことについて「ああでもない、こうでもない」と悩んでいました。

でも最近は、答えが出ない問いに悩むことがあれば、私は「内なる自分」に判断を任せることにしているのです。

「内なる自分」? 何だかずいぶんと難しい話になりそうですけど…。

う~ん、何と表現したらよいのでしょう。自分以外の何かに、周りの余計なものに、惑わされず囚われず自分で判断する、といったところでしょうか。難しい問題に対して決断、判断を下すときに、あまり理屈を優先させてもうまくいかない、というのが私の今までの経験です。

かといって、あまりに情緒的な気分に左右されて判断しても、やはり良い結果は出せませんでした。

ですから、悩んだまま、ずーっと海の浅瀬で波に任せて浮いているような感じ…と言いましょうか。「内なる自分」をじっと見て、自分の行く方向性が自然と見えてくるまで待つのです。

へぇ…。小言社長はそれで良い結果が得られたってことですよね。今度私もそうしてみようかなっ。そうすれば、必ず良い結果が得られるんですよね?

いやぁ、申し訳ありませんが「必ず」なんて責任は持てませんよ。そもそも、何が良い結果であるかは誰にもわかりませんしね。

神のみぞ知る…、でもそこが人生の面白いところです。あなたたちも歳を重ねればそういう心境になってくるのではないでしょうか。

ただひとつ言えることは、転職してもしなくても、今いるその場所でどうやって良い結果を出すことができるのか、それに全力を注ぐということだと思います。

野球選手やサッカー選手のトレード、移籍でもそうですよね。移ったチームに貢献して結果を出すことが自分自身にとっても、応援してくれるファンにとっても一番いいことですから。

なるほど…。小言社長が仰りたいことをすべて理解できたかどうか自信はありませんが、今度転職に悩んでいる友人に会ったとき、今回のことを伝えてみようと思います。

そうですか。

お友だちに会ったら言ってください。

「人生は長い。大いに悩んで成長してください」とね。

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